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【FGO】人理復元の旅(第一部)完結 ───2017年へ①

どうも、死んでません。生きてます。

 

今更ですが、終局特異点の感想~1.5部の記事ですが分けました。これは感想分です。

 

http://kishinox.hatenablog.com/entry/2017/03/05/171252←②「死徒二十七祖」「クラス・ビースト」「人類悪」に関して

http://kishinox.hatenablog.com/entry/2017/03/05/171328←③「特異点F」「1.5部」に関して

 

 

第六特異点の記事は、まぁあの投稿する気持ちは有りましたが色々とあったので、焼却しておきました(?)

あの気分的な問題でした。ハイ。


晩鐘は汝の名を指示した───やら王の話をするとしよう───レベルの大物が漸く続々と実装され始めましたね。私は引けました。はい。

三か月も前ですが、去年の冬コミも夏に続いて型月は企業も三日目も地獄でしたね...
事件簿とFGOマテリアルⅢで色々と判明しましたが...
然し、事件簿凄いっすね。遂にDDDネタまで取り込んでビビりましたが、最早これは第二のFakeと呼んでも過言では...

次の夏コミに至っては、ワダアルコ神に続いてまひろ先生まで出展確定で、何というか「はぁ...」って感じですね。まぁ、委託してくれるとは思いますが、然しプリヤで出さないんですかね...

 

と、まぁ年明けは風邪を引いたり何なりで一週間完全に体調を崩したりで最悪の年明けでしたが、前置きはさておき。



───人類史を巡る旅。完結。

2016年当初は7月予定までに何とか我々は人理を守護出来ました!おめでとうFGO!やったぜ!
そして、一年半続け漸く...この旅と共にした彼/彼女達の結末を私達は見届ける時が来ました。

(本当はガッつり書いてましたが)六章もですが、七章に関してもここでは触れずでしたので記事としては繋がりも無い唐突な展開になりますが


七つの特異点を超え人類史の終焉も間近。全ての星は満ちた。
カルデアに残すは、始原に至る希望にして終局を冠する特異点「冠位時間神殿・固有結界ソロモン」

『霊長の世が定まり、栄えて数千年』
『神代は終わり、西暦を経て人類は地上でもっとも栄えた種となった』
『我らは星の行く末を定め、星に碑文を刻むもの』
『そのために多くの知識を育て、多くの資源を作り、多くの生命を流転させた』
『人類をより長く、より確かに、より強く繁栄させる為の
理(ことわり)―――人類の航海図』

 

『これを、魔術世界では人理(じんり)と呼ぶ』

 

「主よ。今一度、この旗を救国の―――いえ、救世の為に振るいます」

 

www.youtube.com



いや...開幕から良かったですね。終局特異点は。

あのPVがここに繋がるのか...と。

 

展開が「HA」のオマージュなのもあり、流れるBGMが「Outbreack」は、いや素晴らしい演出でした。


かつて、メディア・リリィや女神ロンゴミニアド達が「星を集めろ」と言ったように、確かに展開としては有り得るだろうと。何の為のお祭り作品であるかと。
でも、Outbreack流しながらのHAのオマージュはズルイっすね。

という具合で、ぶっちゃけもうこの時点で感動的でした。

あとは皆が見届けた様に”縁”で召喚された彼らは、道を開けるべく果てるまで戦いました。
この各特異点(縁)でのサーヴァントの描写パートで、特に好きなパートが幾つかありましたが、まぁ置いておきましょう。

そして、何かバルバトスくんとかバルバトスくんとかバルバトスくんとか、生命院 臨終とか色々と、ボーナスタイム的な焼肉食べ放題みたいな楽しい楽しい時間が有ったような気がしますが、さておき。

この物語の核にして三千年前から年密に練られた人類史と人類其の物の殺害の目的/真相が判明。


第四章・ロンドンにて頭角を顕し、始まりの七つの一角「魔術王」を名乗る、彼の偉大なソロモン王を騙り人理を否定した獣の名こそ───

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『人理焼却式・魔神王ゲーティア』
人理を守護する冠位の魔術師なぞ偽りの名。
其は人間が生みだし、人類史を最も有効に悪用した大災害にして、『憐憫』の理を持つ「原罪のⅠ」
かつてソロモン王が操りし、七十二の魔神。その集合体である。と。

余談ですが

以上の功績/本質を以て彼/彼女のクラスは決定された。
○○なぞ偽りの名~
其は~

っていうこのビースト特有の言い回し好きです(唐突)


今回...というか七章に続いて判明しました
FGO世界線におけるラスボスの様な存在「人類悪」
「人類悪」と言う用語に関しては、竹箒でも触れらていますがFGOの第七特異点以前から存在していました。
この「人類悪」は「英霊召喚」の元にもなった人類を滅ぼす安全装置と自滅機構であり~という説明は七章でも終局特異点でもAUOギルガメッシュが説明してますので割愛します。
この「人類悪」こそ「降霊儀式・英霊召喚」と呼ばれる「決戦魔術」が”七つを以て一つを討つ”為の文明から生まれ文明を喰らう「死の要因(アポトーシス)」に他ならない「獣」であると。

この「人類悪」は、冠位クラスを冠したサーヴァントが七騎を以て”一”を穿つように、此方もⅠ~Ⅶまでが存在し、人理を守護するサーヴァントと同じく七つの霊基が存在する。

「クラス・ビースト」

まさかまさかのビーストクラスがここまでアレとは、リリース前に誰が想像できたでしょうか。(ビーストクラスは諸々の意味で流石に出ないと思っていた時期がry)

ビーストクラス。この存在はFGOやその他Fate作品の原典「Fate/stay night」の更に原典の「旧Fate」からなる「Fate/Prototype」にて登場する、悪魔の数字「666」を冠した新約聖書に記されし、ヨハネを名乗るモノによって終末が描かれた黙示文学の獣。
その内の「666の獣」の名を持つ。黙示録の獣。
が、該当していたエクストラクラス。

...に、なりますが原罪の獣達に関しては、”アレ”も込みで後で述べますので取り敢えずここで。

と、今回の作品は創生神にして原初の神ティアマトに続き人間が産み出した悪性部分と言える「原罪」が敵。
色々と推測がされた中、正体を顕した魔術王(グランドキャスター)の真なる姿は七十二の魔神の集結であり、人理焼却の目的はソロモン王と同じ視点を見つめたが故に、自らが高次元の存在であるが故、全てを見透かしていたそのソロモンの姿勢に疑問/怒り/悲しみを抱いたが故の思想だったと。

人間は死ぬ運命から逃れられない「死を克服出来なかった知性体」
この惑星は生命体の基本設計からして間違っていた。「終わりの有る命」を前提にした"狂気"
生命とは永遠で有るべきだ。何故、終わらねばならない?否、否、否、終わるなど有ってはならない。
全ては永遠で有るべきだ。
生きていても人間は、何れ「死」を迎える/見つめ続ける。
それは間違いだ。

ならば、作り直そう。
誰もが「死」を恐れず、幸福に満ちた世界へと。
時間から?歴史から?生命体から?
否、原初から作り直すべきだ。

という思想により行われた「人類史の焼却」
ゲーティアは死を嘆き、恐れたが為に"惑星そのものを作り替えようとした"
魔術の王ソロモンが誕生し没した、紀元前10〜9世紀に始まり最後の担当者「レフ・ライノール・フラウロス」が、自らの真の役割を自覚ないし覚醒する事で成立する2015(2016)年の約「3000年」に渡り積み上げられてきた、全人類、人類史、人理の壮大な殺害計画。

今作のタイトルにして、オルガマリー亡き後に再びカルデアに発令された人理守護指定「グランドオーダー」
其は魔術世界において最も崇高な血の掟。
西暦以前より、一族が途絶えるまで永延と課せられた絶対厳守の呪い


───「冠位指定」

魔術の王より別たれた魔術師達は、百年後に魔神柱と化すモノ、五百年後に魔神柱と化すモノ、千年後に魔神柱と化すモノ。

”そうあれかし”と定められた運命により、積み上げられてきた計画。

現代に至るまで冠位指定の呪いという名の種をまき続け、そして2015年、最後の冠位指定遂行者がソレに気付いた時点で、魔神王ゲーティアの企みは成立。

カルデアスがそれまで灯していた「2016年」より先の未来領域が消失。人類史を揺るがす七つの特異点が誕生。

それこそが、「冠位指定」の真なる意味にして今回の人理焼却事件の発端にして真相。

そして、魔術王を名乗りし「人理焼却式・ゲーティア」たる彼が、各特異点上に発生させた謎の光帯。
かつて、グランドキャスターとしてロンドンに現れた彼は、ソレを第三宝具にして「対人理宝具」と呼び、一条一条が聖剣エクスカリバーと同等の熱線で有り「地上にこれを上回る熱量は残念ながら存在しない」
と、説明されました。

それも当然。


三宝具「誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの」こそが、ビーストⅠを示す「原罪のⅠ」を冠するモノ。

そして、各特異点に出現した光帯とは、魔神王ゲーティアが人焼却によって至った、紀元前10~9世紀から西暦2016年に及ぶ各時代「約3000年」に及ぶ、人類史と言う魔力を蒐集し熱量へと変換したモノ。

この光帯に蒐集した3000年分の魔力を加速、収束し御し得る事で、時間逆行をも可能とする。
ゲーティアはこの第三宝具を御し得る事で、セファールによる大災害、人類の誕生、白亜紀ジュラ紀などよりも更に過去の過去。


およそ46億年前、この地球という惑星の天体が誕生する瞬間にまで時間逆行し、”ゲーティア自らを天体へとする”事で、この惑星を創り直す。
誰もが悲観し悲劇を生んだ「死」という概念を克服できないのなら「死の概念」が存在しない天体へと変える。


───創世記から、原初からこの惑星をやり直すのだ。

というのが今回の真なる黒幕「人理焼却式・魔神王ゲーティア」の目的/悲願であり、第三宝具の光帯の正体。

天体から創り直す...
今迄のFate並びに型月作品の中でも、ゲーティアと同じく人類の在り方に疑問を持ったり、人類を滅ぼそうとする人物はいましたが、ここまでスケールが大きいのは中々...というか初めてですね...


かつて、人々の争いを見た僧侶が居ました。
戦えば死ぬ。争いによる貧困で死ぬ。我が子を思いながら死ぬ母親もいた。
死は理不尽に襲いかかる。
それでも彼は人間を救いに救おうとしました。
そうして人々の死を見つめ続けた中で彼は悟りました。

「人は救うものではなく、終わらせるものなのだ。」
「人間である以上、ワタシには誰も救う事など出来ない。」
と。

人は生きる以上、どうやっても死を迎え報われない者も出てくる。
人間は救う事が出来ない。救いなど無い。

───ならばこそ、救えないならせめて「記録」しよう。
人は救えない。報われない。だから「死」を記録する。
物事を全て克明に記録し、世界の終りまで明確に記録する。
さすれば、一体何が/どれが幸福であったのか。一から最後まで記録し、検分すればソレが判断できるだろう。

そうして、報われなく死んでいった者達の為にも、等しく意味を与える為にも「死」に”意味を与える”為にも、価値を見出す為にも、人間の死の蒐集を始めた荒耶宗蓮と呼ばれた魔術師が居ました。


何れ人類に滅びは訪れる。滅びは避けられない。然し、ただ滅んでしまったは”何も残らない”


「それでは、自身の存在意義に反する。」
「滅びが避けられない?ならば、”滅ぶ前に滅ぼすのだ”」


と、かつてこの地に滅びが訪れる事を知っていたが故に人々を最果ての塔へと収め、人々を愛した嵐の王。
かつて、人類の終焉という演算結果に到達し、それが回避不可能だと悟ったが故に、滅びを回避するのではなく、人類全てを「賢者の石」へと変換し”先に滅ぼし記録する”事で、せめて滅びを「意味の有るモノ」へとしよう。人類という種が存在していた「記録」を残そうとした冥界の鳥。

と、ただ滅びを待つ/回避できないなら救おうとする。のではなく「残す」事を目指した「女神ロンゴミニアド」オシリスの砂」が居ました。


何れ人類に滅びは訪れる。滅びは避けられない。
「滅びが避けられない?ならば、それを覆すまでだ。」
オシリスの砂と同じ「人類の終焉」という演算結果であり、何れ来る「未来」を知ってしまったが故に...否、それでもソレを覆す為に、奇跡に至る事で滅びを回避しよう。

と、滅びを回避する為に人々を犠牲にしてでも、自らを人類史の否定者である「死徒」と化してでも「人類の救済」を目指した「ズェピア・エルトナム・オベローン」と呼ばれた錬金術師が居ました。


万物に救済を。人類を外へ。有限と言う限界を超え無限へと。あらゆる憎悪/苦しみ、全てを癒し。遥かな理想を目指した魔術師。
人々による争い/裏切りを見た。多くの人が死んでいった。憎かった。争い、切り捨てる人々の在り方が、システムが憎かった。然し、全てを救う。自らより生じる憎悪など切り捨てよう。「善」で有ろうが「悪」であろうが関係無い。全てを救う、「人」と言う種を救おう。と、かつて「全人類の救済」を目指した少年。

そうして、彼らの目指したモノは同じ。「この世全ての悪」の廃絶を目指し/「この世全ての善」を選び、肉体と言う枷から放たれ「魂」を永劫不滅として、誰もが幸福な世界へと導く為「第三魔法」に挑んだ「マキリ・ゾォルケン」「シロウ・コトミネ」が居ました。

かつて、戦争を憎んだ科学者が居ました。
多くの戦争を、人々の多くの悪性を、多くの地獄を。戦争を憎み、争いに殺意を抱いた。戦争を許してはならない。
然し、争いを憎みながら戦争が起こればあらゆる戦地へと向かい人々を救命をした。その中で垣間見た。人々の強さを。生命の強さを。
戦争は憎い。許してはならない。だが、戦地の中で生き延びようとする人々。生命の強さ。そして、自らの偉業もまた戦争から得たモノで産み出されたのだ、戦争による成果は否定できないと。故にこそ、「停滞した未来」は間違っている。

「今一度、人類に収穫期を」

と、争いを憎みながらも争いによって生まれる成果/成長を否定できず「全人類規模の戦争」を起こす事で、生存競争を図り人類を「停滞」から脱しようとした「トワイス・H・ピースマン」と呼ばれた学者の遺志を引き継いだゴーストが居ました。

このように、かつて人類の醜悪さ/愚かさを知り、理不尽な「死」を知り、人類という種の生命の限界を知り、人類を救済しようと試みた者達は居ました。
成る程、確かにゲーティアは「過去」と「未来」全てを見透かす「魔術王ソロモン」と同じ視界を得てしまったが為に、荒耶やトワイスの様に人は争いや裏切りを起こす悲劇を産み出す醜い生命体であり「死」はどうしようもなく訪れるモノだと悲観したでしょう。
「死」を恐ろしいモノだと悲観し、ゾォルケンやシロウの様に「死」を克服すべきだと感じたでしょう。
現在より彼方の結末を知る視点を持つが故に、ズェピアやオシリスの砂...いや、それ以上でしょうが、一切をリセットし原初からやり直そうとしたのでしょう。

然し、誰もかれもが何かを「残そう」としました。


人類という生命体/未来に救いは無いと嘆いたでしょう。人間の行いの浅ましさ/悪性を嘆いたでしょう。「死」はどうしようも無く襲いかかるのだと嘆いたでしょう。


然し、荒耶は「死」を嘆きながらも死んでいった者達の為にも価値を見出そうとした。意味を与えようとした。トワイスは人々の悪性を憎みながらも悪性から生じた争いから価値を見出した。
ズェピアは未来に救いが無いと知りながらも「未来」を目指した。ゾォルケンやシロウは悪性から目を背けること無く遍く全てを救おうとした。オシリスの砂や獅子王は人間に「価値」が有るのだと信じたからこそ、自我を貫いてでも「残す」事を選んだ。

然し、ゲーティアは「死」を恐れ、「悪性」から目を背け、「救い」が無いことを認めなかった。人間と「未来」に「価値」は無いと決めつけ切り捨てた。何もかもを「残そう」とせず、一切合財を焼却して”一”からやり直そうとした。

彼らはそれぞれの目的や思想は違えど、少なくとも「死」や「悪性」「未来」から目を背く事無く、人類に希望/価値を抱いていたからこその行いだと思います。ですが、ゲーティアは全てから目を背けていた。前を見ず、希望を持たず、悲しみしか見えていなく、愛を知らない獣だったが故にと。
そこが、今迄私達が見てきた彼らとゲーティアの思想/行いの違いかなと私は思いました。


そして、Dr.ロマン...ロマニ・アーキマンが何者であったか。
七章のあの件で大方の人は気付き、竹箒で皆さん確信に至った通りの人物でしたね。

花の魔術師マーリンとの接点を感じさせ、魔術王ソロモンが黒幕ではないか。と、なればそれを否定するなど。
中々、謎起き人物でホームズも警戒していた人物でしたが

彼の正体こそ

 

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冠位の魔術師たる魔術王ソロモン。

でしたね

第五特異点で判明したDr.ロマンが指に嵌めていたと判明した「指輪」
それこそが、魔術王ソロモンが神から授けられた十の指輪にして失われた聖遺物。


生前、ソロモン王は何となくで指輪を「未来」へと送りました。
そして、時は流れ西暦2004年。
極東の地、日本の冬木にて密かに開催された「聖杯戦争


その一回目、失われたソロモンの指輪の一つを触媒に「魔術王ソロモン」を召喚した人物こそが、カルデアスを完成させ「人理継続保障機関・フィアスカルデア」を発展へと繋げ、2012年に謎の死を遂げた天体科の君主「マリスビリー・アニムスフィア」であったと。


そして、六人のマスターを排除し勝利したマリスビリーは、アニムスフィアは独自の方法で根源を目指す必要がある為「第三魔法」の 成就など興味は無く。ホームズが推測した通り「富」を得る事を望みました。
本来、冬木の聖杯戦争は七騎のサーヴァントを捧げる事で完全に大聖杯が起動しますが、マリスビリーの目的は真理へ至る事に有らず、故に召喚された魔術の王ソロモンもまた願いを告げる。

───”人間になりたい”

ただそれだけの願い。
そうして、かつて神からの声を聞く「装置」として、求められたがままに有る王から、「人間」へとなろうとした青年。「ロマニ・アーキマン」は誕生した。

然し、全能の王から、ただの「人間」に成る事を願った刹那、人類の滅びを垣間見た。
「人として生きたい」そう願ったにも関わらず、その滅びを見てしまったが故に、ソレが自らに関係していたが故に、ただただ備え続けた。


何がトリガーか、誰が起こすのか、何によって滅びるのか。何もかもが分からず、誰もが信用できず、ただひたすらに備え続け、ただひたすらに自分が出来る事から始めていった。その実、ただの一度も休息の存在しない十年間。それが、終局特異点に至るまでに彼が過ごした時間にして、真相であったと。


それが、「ロマニ・アーキマン」という青年の十年間だったと。

と、冬木の聖杯戦争で召喚されたキャスターが、まぁ何かやっぱり兄貴じゃ無くてソロモン王であったり、ホームズの推測がめちゃくちゃ正しい流石名高き名探偵で有るのが判明し、あの指輪は触媒で且つちゃっかりロマンはソレを嵌めていたのだと判明したり、事件簿と照らし合わせると冬木の聖杯戦争は2004年が"本当に一回目”なのが判明したりしましたが、特異点F(X)は取り敢えずまぁ。

彼は、終局特異点以前(具体的に言うと第五特異点ですが)魔術王ソロモンを”探す”手段は無い。と、断言するも”倒す”手段が存在しないという事に関して一切否定をしませんでした。
また、第六特異点ではダ・ヴィンチちゃん曰く「彼には切り札が有る」「聖杯の様なものだ」「それを使えば”彼”は消える」
と、Dr.ロマンが魔術王ソロモンを打倒する方法を有しているのは示唆されていました。


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彼は最後までその切り札を使うのを迷っていました。が...

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マシュの覚悟を見た事で、彼もまた覚悟を決めました。
ゲーティアの前に現れた彼は、ゲーティアが「魔術王の名を捨てた」事で、自らが本来の「魔術王ソロモン」として君臨。
ソロモン...いえ、ロマンには確信が有りました。
魔術王を名乗りし偽りの獣が持つ「9つの指輪」
自らが持つ、失われた「最後の指輪」
そして、敵が“本物のソロモン”であるならこそ

三宝具「誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデス・サロモニス)」
第二宝具「戴冠の時きたれり、其は全てを始めるもの(アルス・パウリナ)」
に連なる最後にして最初の宝具。知ってはいたものの、最後までソレの本質を知りえなかったゲーティアに送る最後の「魔術」
真名、仮想第一宝具「光帯収束環(アルス・ノヴァ)」など偽りの真名。本来は

 

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第一宝具「決別の時きたれり、其は世界を手放すもの(アルス・ノヴァ)」



其は、かつて魔術王ソロモンが、神から授けられた「十の指輪」を天に返還したという逸話の「再演」を現す宝具。
魔術の王ソロモンが成し得た奇跡/偉業/魔術、全てを手放す別れの詩にして、「紅蓮の聖女」「流星一条」と同じ自爆宝具。
これにより、魔術王ソロモンの死は当然ながらも、死だけではなく其は”存在の消滅”すらをも意味する。
人類の誰もが到達していない終了───存在の完全消滅たる”英霊の座からですら、消滅する”事を果たした。

「魔術王ソロモン」の完全消滅。故にこそ、魔術の王が作り上げた物は全て無価値となり
・魔術王ソロモンの魔術回路
・第二宝具「戴冠の時きたれり、其は全てを始めるもの」
のニ点が在ってこそ成立する「冠位時間神殿・固有結界ソロモン」は崩壊へと傾き『無限の時間』は消失。七十二柱の魔神の融合体たる魔神王・ゲーティアの融合が乖離、無敵性もまた消失し崩壊へと傾いた。

そして、魔術王ソロモンが「十の指輪」を返還し、彼自体が「人類史から消失」する事で、地上から「神の代理人」は人類史に存在しなくなる。これにより、地上は人間の知性による「物理法則」が定まり、これで本当の本当に「神代」は終わりを遂げる事になった。

そして同時に「魔術王ソロモン」「ロマニ・アーキマン」は人類史から姿を消した。

魔術王ソロモンの「再演」により「冠位時間神殿・固有結界ソロモン」が崩壊した事で、七十二柱の魔神並びに魔神王・ゲーティアの不死性は途絶えた。
残りの一柱になるまで約三千年に及ぶ期間を施した「大偉業」を何が何でも成立させるが為、ゲーティアはぐだーずを排斥すべく最後まで戦うも

『生きる為』

そんな人としてごくありふれた願いを抱いていた事に最後に気付かされ、一人の人間の願いの前に敗北を喫した人理焼却を謳い意思を持った魔術は、最後の一柱「魔神・フラウロス」の機能停止を以て「獣」の夢は完全に潰えた。

崩壊する神殿、カルデアへ帰還する為に入口まで走り抜けるぐだーず。
そこに待つのは

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ゲーティア」
然し、現れゲーティアを名乗る彼は魔神王でも七十ニ柱の魔神の集合体ですら無く、人理焼却を志した獣の残滓の様なモノ。
魔術の王ソロモンが消え去った時点で、最早敗北は覆る事は無く。この戦いに意味は無し。
然しながら、ゲーティアと名乗りし彼は「譲れない」という意志から立ち塞がった。
魔神王としての彼では絶対に取らなかった選択。
そう、彼が一度切り捨てた人間に敗れ、不死性を失いながらも”限りある命”「人」として、人間性を理解したが故に芽生えた感情。

人理を以て人理を滅ぼし、極点たる宙を目指した愛を知らない憎しみの獣。
今ここに生れ、今滅びを迎える僅かばかりの「本当の人生」を得て「魔神王ゲーティア」では無く「人王ゲーティア」として最後のマスターへと立ち向かう。


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かくして、人理を滅ぼそうとした獣の夢は完全に途絶え、惑星を作り直す大偉業「逆行運河・創生光年」は失敗に終わった。

そして、死からの生還を果たしたマシュとぐだーずはカルデアへと無事帰還を果たし、レフ・ライノールの破壊工作により失われた二百人の命、特異点からの未生還者一人という損失を受けたもの、First Orderが発令され人類史が焼却された2015年7月よりおよそ一年半越しに人類史は正しい形へと戻り、人類の未来は守られましたと。


~Fin~

はい。という感じでしたね。
そうですね...先ず、六章辺りからFGO其のものの話や敵のスケールが真相に近づくにつれ大きくなっていったのを感じましたが、いやはや天体を作り直すとは中々...
今迄にも他天体(月)を舞台とした「EXTRAシリーズ」「月の珊瑚」や他天体からの飛来した生命体と(新)人類が争いを繰り広げる”末期”状態の地球が舞台の「鋼の大地」などの作品は有りましたし、事実CCC辺りからだいぶスケールがぶっ飛んでき始めて、最近だとエクステラ何かも相当ぶっ飛んでんなーという規模を絡めたストーリーでしたが、何かもうそれ以上っすよね...
というのが、終章通しての一部の全体的な印象ですね。

第一部のラスボス。敵の姿がまだ見えないオケアノス(11月時点)や遂に頭角を現したロンドン(12月時点)では、魔術の祖にして王たるソロモン王が敵という構図で、通常のサーヴァントを遥かに上回る出力たる冠位キャスターやらエクスカリバー数億倍やらと「神話礼装」でもなければ無理じゃね...?九尾キャス狐と同格...?

 

などと、ソロモンと冠位クラスの霊基ヤバ過ぎて草も生えないレベルでしたが、その真なる正体は魔術の王ではなく、魔術式そのものという何とも....

上記にも書きましたが、今回の敵たるゲーティアは荒耶やトワイスの見た絶望や人間の悪性、ズェピアやオシリスの砂の様に普通の人々より有る種俯瞰した視点を持ち、シロウやゾォルケンの目指した理想世界に変えたかったが故と、今迄の型月作品のキャラと似た視点や思想による行動理念では有りましたが、結果的に目指したモノは今迄の誰とも異なる(寧ろ真逆)のが面白いというのも変ですが、大きく顕れていたかと思いました。
そして、「人類悪」という異名を持つものの「人類悪」=「人類愛」であり、そして天地創造/この世全ての悲劇を正すという思想自体は決して”ただ滅ぼしたい”だけというアルキメデスの様な破壊衝動に動かされたモノではなく、そこには信念が有り人類を思っていたが為の思想であり理念であった。最終的に「人間」を理解し「人生」を得る事で、「獣」から「人」として絶える事で、最後に彼はかつて「無価値」だと切り捨てた「人間」の価値を知ったのだと。
何というか、皮肉的と言えば皮肉的でしたが非常に味の有るキャラだったかなと。

また、それはゲーティアだけではなく、彼の一部にして今回の事件の発端でもある「レフ・ライノ―ル・フラウロス」

彼はFGOより以前、元はモバイルサイトにて公開された「2015年の時計塔」にて「レフ・ウヴァル」「ライノ―ル・グシオン」そして「フラウロス」からなる三つの人格を有する同時に物事をこなす多重人格の魔術師として登場し、彼が自殺を図った事であの世界でFGOが発生する事は有りませんでした。
http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201508.html
↑の竹箒の記事で明言されています通り、彼(レフ)の生死は今回の人理焼却事件の発生か否かを担っています。
また「路地裏ナイトメア」では「ラニ=VⅢ」曰く

 

再設定時に見た彼(レフ)の未来には「ある年代」から先が存在しなかった

「2015年」

それを境に全てふっつりと消えていた

彼は先が無い事を知りながらあえてそれを選んだ

いかなる選択をしても、ほぼ同時期に未来が消滅する

と、されたのも「2015年」という”年代そのもの”が「レフ・ライノ―ル(フラウロス)」という人間にして魔神柱のタイムリミットで有ったが故。

人類...いや文明全体に関わる
恐ろしく/美しく/崇高で
完全なる完了以外は予定されいない偉大な使命
私は私(魔神柱)に戻らなければならない
否、戻ると定められているのだ

と、語り、FGOのタイトル及び神代より続く魔術師の家系に発令された原初の使命「冠位指定」の真なる正体も魔神柱への回帰による人理の焼却への礎と。
ソロモン王の魔術と縁が深いと謎の示唆をされてきてはいたモーツァルことアマデウスまでもが、まさか冠位指定の呪いを刻まれた一族だったのは驚きましたが、其れは兎も角として。

彼が2015年まで生存すれば人理焼却は発生する可能性は残りますし、死亡すれば成立しません(彼が冠位指定を自覚した段階で七つの特異点の発生につながる為)
実際に2014年に彼が死亡した「2015年の時計塔」と、冠位指定を自覚し人理焼却を目指すも邪魔が入り結果的に2015年の時計塔と同じ末路を迎えた「路地裏ナイトメア」では人理焼却は(恐らく)無効となり、彼が誰にも邪魔される事無くFirst・Orderの遂行を阻害するに至った「Fate/Grand order」の世界線では発生しました。

彼はゲーティアの手先で有りながらゲーティアの一部であり人理を滅ぼそうとしました。


然し、彼がソレに完全に目覚めるのは、あくまで冠位指定による魔神柱への回帰を自覚した「2015年」からの話であり、それまでの「レフ・ライノ―ル」と呼ばれた人間自体は人理の守護の為に報いていたに違いは無い筈です(でなければ「シバ」を提供自体しないですし)


故にこそ2015年の時計塔の舞台であり冠位指定に自覚する2015年に至る以前「2014年」の段階で彼は冠位指定に自覚すること無くフラウロスは魔神柱に成る前に自らを閉じ、結果的にあの世界(正史寄りの編纂事象世界群)ではFGOひいては人理焼却と言う「獣」の夢は発生する事無く彼は「現在」だけでなく「過去」と「未来」も守りました。

その「2015年の時計塔」にて自らを閉じる事を選んだフラウロスは

 

そうだ。それが現代の”私”の結論だ。

過去を殺したところで未来は喜ぶだけだ。

未来を閉ざしたところで過去は頑強になるだけだ。

私に天命を与えた”何者か”の思惑に添うだけだ。

だから今を守る為には、現在(ワタシ)が消えねばならなかった。

その成果はあったのかどうか、誰も知る事はないとしても。

 

という結論を出したが故に「フラウロス」は閉じて、「過去」と「未来」を残しました。
その結論を出して「レフ・ウヴァル」と「ライノ―ル・グシオン」を残した彼を橙子さんは
「現在に残してしまった二人にせめて───」
という推測を発言しようとしました。

また、レフが冠位指定と言う名の魔神柱化を自覚し、人理焼却を途中まで目指しながらも不慮の出会いで死亡してしまった「路地裏ナイトメア」では、ロクスロート研究練内で死亡する運命が確定していながらも人理焼却を諦め切れずもがいたレフと自らの死を見届けたフラウロスは

 

.......それ(人理焼却)は獣の夢だ。起こしてはいけない事業だ。
巻き込んだことはすまないと思う。

だが私はせめて人間として...

 

と、言い残しました。
確かに「FGO」と「路地裏ナイトメア」の世界でこそ、レフ・ライノ―ルは魔神柱としての自覚を得てしまいましたが、根底部分では先の発言の様に「人間」としての生を望んでいたのでしょう。
「獣では無くせめて人間でありたい」
と。

そして、そんなフラウロスが冠位指定の真意に気付く事すら無く生涯を閉じた「2015年の時計塔」では、「2015年」まで自らが存続する事が破滅の予兆と悟った彼は「現在」を閉じる事で、残った二人にせめてでも「獣」では無く「人間」としての生を過ごし、最期にフラウロスにしてレフとライノ―ルの最大の理解者/敵対者/友人にして、知らず彼が心から焦がれていた「蒼崎姉妹」を来客として選び”後は頼む”と。
私も最後の来客として会えるなら橙子さんが良いので、フラウロスの判断はナイスだと思います(?)(そういう話ではない)

と、まぁ私の趣向と橙子さんの魅力は置いておくとして
フラウロスは、少なくとも「2015年の時計塔」と「路地裏ナイトメア」から垣間見える断片から、根底では最後まで「人間」で有ろうとしたのだと。

そして、フラウロスにして彼らの王であり意志そのものであるゲーティアは天地創造の最終局面に至っても、まだ迷いを抱く魔神柱が一柱残っていました。

「死」とは無残なモノ。救いの無い恐怖。
人間はつまらない。生命に終わりなど、有ってはならない。
故にこそ「死の概念」が存在しない世界へと作り変える。
この計画に、ヒトの理解者が賛同すればソレは揺るぎの無い結末に成る。
故にこそ、ただ一人の賛同者。
ゲーティアが嘆き/恐れ/憎んだ限りの有る生命として設計されたマシュの賛同が欲しいと。

無論、再三の魔術王(ゲーティア)の提案はマシュには否定され受け入れられる事は有りませんでした。
然しながら、魔術王(ゲーティア)は
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この様に、幾度もマシュを気にかけていました。
ゲーティアに宿る七十二柱の魔神の内、ただ一柱迷いを抱いてた存在。それは

http://www.typemoon.org/bbb/diary/

 

後はそれぞれ感情を獲得する魔神柱ですが、フラウロスだけは早い段階で感情的でした。
他の魔神柱は機械的でしたが、レフは感情的に主人公を煽ってきました。
人間を煽るって事は、人間に感情移入しているという事。
なので最後まで「認めなかった&諦めなかった」のがフラウロスなら、
ただ一柱、マシュに感情移入していたのも―

「魔神フラウロス」

ゲーティア、フロウロスの意思としてこの様に言いました。
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「彼女を見過ごせない。この星の最後の記録(思い出)を悲劇にはしたくない」
故にこそ、もう”終わる”のならせめてでもマシュを救うべきではないのか?と。
限りの有る命として設計されてしまったマシュの様な生命を産み出した業深き人間を許せないと。だからこそ、「死」を克服した世界へと作り変える。マシュは戦士でも無く、ただのごく普通な少女だと。

最後の最後まで彼はマシュを案じていました。
今作の「FGO」においてはフラウロスは魔神柱となってはしまいましたが、それ以外の人理焼却が発生せずレフが死亡した作品では、彼は最後まで「人間」で有ろうとしました。
そんな彼が、人間を人理を憎み「獣」と化した今作においても、彼は「人間」に感情移入し最後までその信念を諦めず、認めず立ち塞がり、人の手による非人道的な思想で生まれた、彼らが最も嫌悪した「限りある命」を意図的に設計されたマシュに唯一感情移入し案じていたのもまたレフと....
「2015年の時計塔」「路地裏ナイトメア」と、レフ(フラウロス)の在り方を知り、最終的にこの竹箒の後書きを見て、レフお前...ってなりましたね...

レフ・ライノ―ルは、マシュを二年間面倒を見て彼女を一人の人間として接してきた上司にして、最も早く敵側だと判明した存在です。
然し、レフがカルデアに謀反を起こした後のマシュの彼に対する評価は

二年間限定だが、マシュにとっては魔術部門の恩師。
レフもまた、マシュには例外的に”一人の人間”として接していたようだ。
そのため、マシュにはレフが悪人という認識が持てないでいる。

 

レフは、「死」を嘆き生命の定義に疑問を抱き人類を切り捨てた一人。そんな彼が、最後まで案じ、マシュを”一人の人間”として接した二年間は決っして偽りでは無く、マシュにとってもレフにとっても意味の有る二年間だったと思いますし


かつて、第一特異点たる百年戦争が繰り広げられた時代。当時異端としてジャンヌ・ダルクが受けた刑や戒めに怒りを覚えたジルは、復讐を宿したジャンヌを創造しピーエル・コ―ションら含め、オルレアンを復讐に染めようとしましたが、その真意は「ジャンヌ・ダルクを生かす事」に他ならず、それを見たマシュは

 

「だからこその怒りであり、憎悪だった。国を滅ぼしてもなお尽きぬ、純粋な怒り───」
「剥き出しの感情って、凄いものなんですね。それこそ、世界を滅ぼすほどに───」

 

と、まだ人の感情の何たるかをあまり知らないマシュは、ジルの怒りによる人間の感情というものを垣間見ました。
ソレに対する主人公の反応は
「人間だからね」
と。

「人間だから」こそ、怒り/憤りを覚え、時としてソレは世界を滅ぼすにまで至ると。
故にこそ、非人道的な試みにより明確に限りの有る生命であるマシュを案じながら、マシュを産み出してしまった人間を最期まで憎みながら人間に感情移入をし、根底では最期まで人間であろうとした/実験という名目で人工的な生命体を産み出した怒りを訴え続けたレフ自身が有る意味最も人間らしかったのかもしれませんね。


そして、ロマニ・アーキマン。
彼こそが、紀元前10~9世紀におけるイスラエル国王である、魔術の祖にして王たるソロモン王。


が、FGO世界線における2004年開催の冬木の聖杯戦争。その一回目である参加者のマリスビリーが勝利した事によって、魔術回路も最高位の千里眼も失われた状態で受肉した存在と。
ロマニの正体に関しては、五章から割と仄めかす場面がチラホラ在りましたが、七章による天命の粘土板の記述でほぼ確定で、終局特異点でもう確定でしたね。

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Dr.ロマンは魔術協会三大部門の「時計塔」は知らないが「アトラス院」を知っていたという事情も彼が西暦以前の人物故(魔術協会三大部門の内「アトラス院」と「彷徨海」は西暦以前から在る組織ですが「時計塔」のみ西暦の始まりが設立の為と思われます。)


また、第五特異点


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この様にエジソンは国を滅ぼすであろうというのを「経験」として発言したのも、自分(ソロモン王)の事だったと。(生前からも諸々有ったのですが、ソロモンの死後に生前のソロモン王の行いが色々と国内で問題となりイスラエル国が分裂した事が決定的となって、ソロモン王は最もイスラエル国を繁栄に導いた偉大なる王にして、その実ソロモン王が実質的な統一国としてのイスラエル国最期の王を飾ってしまった為)

と、今迄色々と伏線をばら撒きつつ、怪しい怪しいと言われてきたDr.ロマンこそが、カルデアにおける英霊召喚第一号でも有ったと。
....いう事でしたが、まさか本当にホームズの言うとおり「今回の一件」には全く”直接は”関係無く、人理焼却が発生する事も知らなく、千里眼も失われていたとは....


いやまぁ、ロマンがソロモン王なら未来を見通す千里眼で予めレフの強行を止めていたのでは(或いは、エクステラで判明した剪定事象の件を絡めて、あえて未然に防ぐのではなく医務室から違う部屋に居る事で被害を回避しようとした)とか思ってましたが、いやはや今回の一件の何もかにもの詳細を知らない立場とは....と、クリア後思いましたね。

さて、そんなこんなで彼こそが真なる魔術王ソロモンであり、確かに直接は人理焼却に関与していなかったもののゲーティアが今回の一件を企てたのも彼の王と同じ視点を得ながら、ソロモン王は人間の悪性/人間の救われなさ/人間の醜さ、全てから目を背けること無く「死」を受け入れましたが、彼らはソレを良しとしなかった故。「死」を恐れたが故でした。

然し、「~英霊伝承~ヘンリー・ジキル&ハイド」にて、H・ハイドがかつて結論を出したように

「人間とは単一からなる生命体では無く、善と悪の二元性を兼ね備えた生命体。人間とは、善を尊び理想を謳いながらも、悪も決して拭い切れない知生体。人間が、知性を捨てられないように悪もまた捨てる事は不可能」


と、した様に魔術王ソロモンも人間の悪性部分も認めた上で

「命とは終わるモノ。生命とは苦しみを積み上げる巡礼だ。しかし、それは決して死と断絶の物語では無い。」


と、生命の在り方。その真意をゲーティアに教える事で、ゲーティアもまた「人生」とは何か。其れを最後に彼は理解し、人理焼却と言う「獣の夢」に終止符を打ちました。

魔術の王ソロモンが彼に教えた最期の「魔術」
其こそが、かつて彼が神から授かりし(本来は大天使ミカエルから)「十の指輪」によって成立する第一宝具「決別の時きたれり、其は世界を手放すもの」
この宝具はマテリアルにも記載されている様に

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七十二柱の魔神の自壊。「過去」と「未来」の観測を可能とする最高位の千里眼の消失。ソロモン王が神から与えられた恩恵全てを返還する別れの詩。
更には、遠い未来において「魔術」が人間にとっての「悪」となった時の為の「安全装置」でもあり、これを宝具として使用した瞬間「魔術王ソロモン」の痕跡ごと人類史から消失する。―――英霊の座からも消失する、其は人類が誰ひとりとして到達していない「無」へと至ると。
というのが、第一宝具「アルス・ノヴァ」の能力であり、是は魔術王ソロモンが実際に生前に行った逸話の「再演」

かつて「Gareden of Avalon」にて、マーリン曰く

魔術の王ソロモンが没してから神秘の減少は加速していった。

という、魔術世界における神代~人間の時代に移行するまでの神秘の減少について触れられていましたが、永らく謎だった「魔術王ソロモン」が神代の神秘の減少に関わっていたのもこの「指輪の返還」によるモノだったのでしょうね。

 

また、「魔術王ソロモン」はこの再演を行った事で「神の代理人」は存在しなくなる。

と、言っていましたが「おしえて!!ブロッサム先生」で、「皇帝特権」を有するモノ(ファラオ、ローマ皇帝)の事を「神の代弁者」と呼び、「英雄王ギルガメッシュ」も自らの事を「神の代弁者」と呼んでいた事もあります。


さて、魔術王ソロモン。そして、Dr.ロマンは自らの決意と消滅を以て「獣の夢」を打ち砕きました。
魔術王ソロモンが冬木の聖杯戦争で願ったのは「人間になりたい」という事。

魔術の王ソロモン。
彼は、ラメセス二世の親友たる預言者モーセの子孫でもあるダビデ王の息子の一人として生まれた”初めから王と定められて”生まれたイスラエルの魔術王。
然しながら、実際のところ彼は「英雄王ギルガメッシュ」「花の魔術師マーリン」と同じくして、生まれたときから「その土地を守護する監視者」としての冠位の魔術師の証である「最高位の千里眼」を与えられた王でした。
彼は曰く、イスラエル国を発展させる為に「人」と「神」によって産み出された王、ソロモンとは神の意志を聞く為に在る「装置」の名。
生前のソロモン王に「人間」として意志は無く、「人間」としての自由は一切与えられる事無く、求められるままに在る王として過ごした。
故にこそ、彼は「人としての自由を知りたくてたまらなかった」
だからこそ、魔術の王などとは一切の関係の無い「人間になる」という願いをふと告げた。そして誕生したのが「ロマニ・アーキマン」

───然し、「人間」になった刹那。この世の滅びを垣間見た。
それには自らが関わっている。それだけは分かっていた。だから、彼は望んだ「人間」として生まれ変わった後もただひたすらに、一人を除いて誰一人として信用すること無くその滅びに備え続けた。およそ十年という歳月。ただひたすらに待ち続けた。
かくして、「人間」としての生を望んだ王は、垣間見た本当に怒るのかも分からない「滅び」の為に全ての人生を捧げ、一切の休息も無く「人としての幸福、充実」を結局知る由も無く「ロマニ・アーキマン」として生涯に幕を閉じました。

と...
いやはや、何とも...Dr.ロマンお前...って感じですね本当ね...

イスラエル国を最も繁栄に導き、ただ神に作られ神の意志を聞くだけの「装置」
ヒトの形をしていながらも、実際はアルトリア・ペンドラゴンやギルガメッシュと同じ様に「人ならざる王」として産み出された存在。
そして、その在り方は全てを見通す眼を持つが故に、人としての意思/自由を剥奪されたが故に、同じく最高位の眼を持つ偉大なる魔術師マーリンの様に、人として世界と交わること無く人間性持たなかった。
だからこそ、彼は「人間になりたかった」

生前は、ただ声を聞くための装置。
自由/人間性など、与えられなかった。
だから「人としての自由」を知りたくてたまらなかった。

なのに、彼は切望していた「人間になった」瞬間に、「人間の滅び」を見たが故に「自由」を剥奪された。
「人間」としての「自由」を知りたがった故に「人間」に成る事を願った筈の王は、最期まで「人間」としての「自由」を知りえる事は無かったと...

人間に成りたいが為に得た人生を見えてしまった未来の為に捧げたわけですからね...
それも十年という歳月を背負い続けたと。
そんなロマンが
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ベディ卿にこの様に言う訳ですからね...

肉体に依存し続ける人間が迎える「死」とは生き続けた分だけ恐怖は増幅する。故に1500年という歳月を生き続けた生命体が迎える「死」は、最早想像もつかない程恐ろしいモノ。
確かに、ベディ卿の「1500年」とロマンの「10年」という年月は大きく異なりますが、背負ったモノの為だけに人生を全て捧げ「死」よりもおぞましい「全能」を消失する事を”知っていながら”「無」へと至ったロマンが「そんな惨い話があってたまるか!残酷にもほどがある!」「そんな長い間───ひとりで?」と。
というか、ゲーティアとロマンの対峙の構図は、ベディ卿と獅子王の対峙の構図の割と再話になってる感ですな。

と、今回の事件の黒幕を知り、最期に覚悟を決めたロマンは第一宝具の再演によりDr.ロマン、更には「魔術王ソロモン」という英霊の存在自体が英霊の座であり人類史からも消失と成りました。
魔術王による指輪の返還等で、型月世界観の背景がまた色々と繋がったと思いましたが、其れは後述するとして
「英霊の座」からも消失。これが、人類史的にソロモンの存在や偉業等がどういった扱いになるか、彼が召喚された冬木の聖杯戦争の面子や結末が人理復元後の精算でどういう扱いになるのかは現状不明なので何んともですが

ところ変わって、セプテム辺りからロマンが言っていたネットアイドル「マギ☆マリ」
人理焼却後もブログを更新する謎、というか明らかに怪しい存在でしたが、マギ☆マリを演じていたのは案の定マーリンでした。

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故にこそ、マーリンとロマンは何かしら接点がある...

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と、思っていたら、何とまさかの二人とも事前の面識無し!(マーリンが一方的にロマンを知っていたという関係)
で、ロマンもマジでマギ☆マリのブログ更新を疑っていなかったという...地味に衝撃的でしたね。

然し、何故マーリンがマギ☆マリとして本来なら観覧者が誰も居ない筈の世界で更新を続けたかは語られなかったので不明。
ですが、人理焼却後もマギ☆マリを観覧していた(というか、出来た)のはDr.ロマンのみ。であれば、マーリンが人理が燃え尽きた後、更新を続けていたのはきっと

マーリンが、ただ一人の為にマギ☆マリを演じ続けたのも「似ていた」からかもしれません。

 

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この様に、マーリンとギルガメッシュは冠位キャスターの証たる最高位の千里眼を持つホルダーどうし「非人間」です。
両者とも人間と異なる種族(神、夢魔)との間に生まれた存在。故にこそ「人間(個人)自体」に興味は無いが「人間が創るモノ」を美しいと視る。
最高位の千里眼を持つ者は、総じて「人間として生まれながら、人間としての価値観を与えられなかった異端者達」
FGO内でのマーリンの発言だけでは読み取れませんがGOAでは

彼ら(先達の千里眼保有者)がどのような人生を送ったかなど、過去を見渡せないマーリンには知り得ない事だ。けれど気持ちの何割かは理解できる。人間の社会の在り方はともかく、自分たちの人生はそう面白いものではない

人間社会という”絵”は十分に見応えがある。神の奇跡の体現と言ってもいい。だがその絵が面白ければ面白いほど、その中に入れないマーリンは疎外感を味わってしまう。

ようは種としての疎外感だ。神の視点がどれほどつまらないものか、そんな愚痴を分かち合える同胞が居ればまた話は違ったかもしれない。

いっそ自ら命を絶ち、霊体として座に上がった先達たちに笑い飛ばしてもらおう、と思った事もある。いや、思わない時は無かったほどだ。


と、無論人間が積み上げれる「人類史」という”絵”を素晴らしいと感じ、其れを見つめるのが楽しみであるのには違いないでしょうが、本音では千里眼の視点/人間と言う種族の輪に入れない寂しさを漏らしています。
最高位の千里眼を持つ魔術師とは、その土地を守護する為に神々から選ばれた存在。マーリンもギルも人間の容姿であり、人間側へと肩入れしながらも実際は「非人間」
魔術の王ソロモン、彼もまた人間の容姿で有り、人の為に国を築き上げた王ですが、実際は神の意思を聞く「装置」として産み出され、自由を剥奪された「人間」とは何かを知り得なかった王。
故にこそ、マーリンは同胞とも言えるロマンの為につづけたのかなーと。


また、マーリンは第七特異点終了後にこの様に言いました。
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無論これは
「でも───キミ(ぐだーず)はちょっと違う。私と同じ、本から本に渡り歩く旅人だった」
「なのに私とは違うアプローチで物語を生かし、救い、よりよい紋様を築き上げてきた。」
だからこそ、マーリンはぐだーずの「ファン」だと名乗り、だからこそ───一度は力になりたかった。だから、手を貸した。
ぐだーずの活躍は、私(自らと同じ形で歩む旅人でありながら、違うアプローチで人類史をよりよい未来へと導く)にしか認識できない。
それを人類史が元に戻った後も事細かに覚えているのは私だけ。
と、前後の台詞的に無論ぐだーズに向けてではありますが

然し、マーリンは「現在」のあらゆる万象を見つめる事に特化した千里眼。故に、妖精郷へと幽閉された後の彼は「現在」を見つめ続ける事だけが楽しみだった。
ソロモン王は、2016年に指輪の返還の再演を行った事で「英霊の座」更には人類史からもソロモンの王の痕跡自体が消失し「無」へと至った、魔術を確立した開拓者。
マリスビリーはとうに死亡し、学友のレフ・ライノ―ルはもう居ない。Dr.ロマンが初めて信用したダ・ヴィンちゃんは2012年に召喚された。

であるならば、「彼」の十年間の戦いを人理復元後も知っているのもまた、そうであって欲しいかなと思いましたまる。

 

ロマンの決意を以て綺麗に完結しましたが...

 

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何か、滅茶苦茶後から復活させるのを匂わせてるんですが、それは。

綺麗な終わり方だったので、後で戻ってきたら「おいおい」と、なる人出てきそうですが、まぁこの辺りはシャンピニオン先生の手腕次第ですかね。

 


そして、マシュとぐだーず。
いやー、本当に二人とも人理復元まで良く頑張りましたねマジで。

ぐだーズは以前インタビューで

 

菌糸類:「「主人公は、すなわちプレイヤー自身」というのは決まっていたので、普通に暮らしていた一般人が主人公という事でいいんです。「実はこんな設定の有るキャラだった」とはしないようにしています。ですので「FGO」は、たまたま駅前でマスター募集しているのを知って、軽い気持ちで受けてみたら「合格です」と採用され、いつの間にかカルデアまで連れて行かれた人が主人公 ぐらいの気持ちでお願いします。自分もそんな人生送ってみたい


という経緯は明かされていましたが、まぁ結局最期まで通したものの、ぶっちゃけ全然一般人じゃないぜこいつ!(アニメ版にしてもメンタル強過ぎィ!)


というか、魔術世界最高位指令「冠位指定」レベルの実験適正者を駅前で募集するカルデアとは...


まぁ、型月の一般人なんてあれですからね、素手で二十七祖以上の実力を持つ幻想種を殴り倒したり、百人規模の聖杯戦争を勝ち抜いて地球も月も救っちゃう逸般人ばっかりですからね...ぐだーずのモデルも士郎/凛を性別逆転したという扱いなので、まぁあれだけメンタル強いのも当然かもですね(適当)

それは兎も角、人類最後のマスターとその契約サーヴァントとして無事人理復元と。

ぐだーずは...何というかあれ何ですよね。先述しましたが、何か色んな意味で最初から最後まで強えぇな...みたいな感じですね...(リヨぐだ子の影響も一里ある)
ゲーティアが言ってましたが
「え?生きる為?人理守る為じゃ無いんかい...」スゥッ...
と、別に世界を護る為に闘ってなかったんですね。
まぁ、確かに言われてみれば訪れた日にいきなり施設は爆発するわ、やれサーヴァントだ聖杯だ人理定礎だ云々で訳の分からないうちに所長は故人となり、人類史を護れってなった訳ですから(然も、最初の説明は居眠りしてたレベル)あ、そっかぁ...って感じですわな。

とはいえ、その鋼の(?)メンタルと、人類史を救うという重みを背負っていなかったからこそ、冠位時間神殿までに辿りつけたんでしょうね、分かんないですけど。
然し、ぐだーずが抱いた「生きる為」という願いこそ、「人間」は「価値」無きモノと切り捨てた人理焼却式・ゲーティア、七十二柱の魔神達へ人間性を示し、彼は最終的にそれを理解するに至ることにもつながりました。

「生きる為」という思い。
今回のFGOに限らず、型月作品(特に菌糸類が手掛けた作品に関して)において、人間の「生」と「死」というテーマはずっと一貫して紡がれてきています。
幹也も志貴も士郎も草十郎もザビーズもシオンもジークもゴドーも、皆「生きる」という事が如何に大切な/尊い事か、「生きたい」「生きる為」に、其が脳を蝕む特異な眼であろうと、例えば其が使えば壊れていく代償を伴う腕であろうと、如何に敵が強大な相手であろうとも、「生きる事」がどれだけ素晴らしい事か知っているから、「生きたい」からという思いが有るからこそ皆立ち向かい続け、「生」という選択肢を選びました。

そして、ぐだーずもまた生を尊び「生きたい」という思いで戦い続けていた。ので、あぁ、ぐだーズも型月主人公の一人なんだな―と、私はあの場面で改めて感じました。

そして、マシュですね。
いやー、本当にマシュは七つの特異点を経て一番成長したなーと思います。
人理焼却発生当初は、自分に力を貸してくれる英霊が分からない。本来の宝具の真名解放も出来ない。自分は、マスターに守られているばかりだと。

然し、「ジャンヌ・ダルク」「ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト」「ネロ・クラウディウス」「フランシス・ドレイク」「サー・モードレッド」「フローレンス・ナイチンゲール」「サー・ベディヴィエール」「レオニダス一世」「賢王ギルガメッシュ」と、七つの特異点を経る中で、人間の在り方/精神構造を知らなかったマシュは、彼(彼女)らと出会い示された事、その時代を生きる人々の営み/強さを垣間見る事で、特に顕著に表れていたのは六章辺りからですかね?本当に成長したと思います。

レフ・ライノール、魔神王ゲーティアはマシュを案じ、不出来な生命体が更に非人道的な試みによって寿命が定義されている事に憤りを感じました。
故にこそ、マシュを救いたい。そして、君には憎む権利が有り、人類史を否定する義務がある。
確かに、マシュはアニムスフィア家の目的の実験の為に産み出されたという存在で、かつてエルメロイⅡ世も批難していたように、酷い話で本来ならカルデアという組織に憎しみを抱いてもおかしくは無い境遇です。
然し、それでもマシュは



何度も唆してきたゲーティアを否定しました。
命の歓びは今を生きるものに宿り、ただ「生きたい」から生きる。明日という未来があるからこそ、「今」を生きる。「生きたい」という願いを否定しないでほしいと。
正に、今迄の型月主人公達にぐだーずが抱いていた「生きたい」という思いで人間は生きるのだとマシュは知ったと。
「生きたい」という”願い”


と、かつてナイチンゲールがこの様に言っていましたが、成程と。
故にこそ、「今を生きたい」一心で戦い続けたマシュにもぐだーずにも道は拓かれた訳ですね。

そして、マシュはゲーティアへの回答、第三宝具の装填により、自らが最期の地まで旅を続けてきた理由を悟り、「遥か理想の城」を展開。其は「精神」の護りによる「対悪宝具」
聖槍、聖剣でも傷つかぬ盾は莫大な熱量を誇る第三宝具すら凌ぐ。然し肉体は───
と、マシュは肉体の消滅も覚悟の上で、ぐだーずを「守った」


其れは、誕生日を迎えたあの日「死」を目前にした中で、唯一マシュの為に駆けつけ炎燃え盛る中一緒に居続け手を差し伸べた。そのきっかけが、マシュにとっては感謝してもしきれないほどだったと。だから、一度は守りたかった。

そして、何やかんやとフォウくんによる完全な蘇生を果たし、二人ともカルデアに無事帰還。
そして...

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ここっすよねー...
あれだけ、マシュが見たかった現代の「外の世界」を共に見つめて終わるっていうのが...これ..良かったですわ...

ゲーティアとの最終決戦時、マシュはぐだーずの為に「守り」ぐだーずの前だからこそ、いつ如何なる時も諦めず立ち上がりそして「覚悟」を決めました。
その覚悟が


レフの破壊工作から逃れた数少ない生存者たるカルデアの職員の思いを動かし、Dr.ロマンも「全能」を消失する恐ろしさを知っていた/恐怖し、最期まで悩んでいたが、マシュの決意に動かされ、彼もまた「覚悟」を以て消失しました。

かつて、「ワラキアの夜」と呼ばれた死徒に取り込まれ、人間であった時其れは「終わり」だと判断していた方へと転んでしまった「シオン・エルトナム・アトラシア」という少女は、幻影の夏によるワラキアとの決別、さっちんとの出会い/リーズとの再会を経た事で

 

そうなってなお私たちは「生きて」います

あまりにも多くの可能性の存在を知ってしまった

だからもう切り捨てる事はで事きません

何度でも彼女達の手をとる事を選びます

私たちひとりひとりが滅びに打ち勝つはか

なわなくとも共に立ち上がる事はできます

そう きっと何度でも

 

という結論に至りました。

かつては、アトラスから/ワラキアから/自分からも逃げ続けていたシオンは、志貴やさっちんとの出会い、リーズとの再会を経て、シオンは前を見つめ、自らとも向き合い「未来」へ進む事を選んだ。

それは、やはり大切な仲間と出会った故にであり、「一人」がだめでも「皆」が居るから諦めず何度でも立ち上がれる。

だからこそ、マシュもぐだーずが居たからこそ立ち上がり続け、ぐだーずもまた自らが生きる為で有り、マシュの為にも戦った。
マシュの決意によって、ロマンも残った職員もその決意に動かされた様に、全員が居たからこその結末を迎えられたのかなと。
マシュが出した決意もまた、滅びると知ってなお最期まで生を謳歌し闘い続けたウルクの民達から人々の強さを知ったからかもしれません。

という事で人理焼却を阻止し、ぐだーズも危ぶまれていたマシュも無事生存して第一部完と。

そして

何故か、唐突なぐだーず開位取得の儀発生。
魔術師が持つ(与えられる)階位は
「冠位」「色位」「典位」「祭位」「開位」「長子」「末子」
の七つに区別され、各々の魔術師としての技量や実績等で与えられる位階となり、ぐだーずが与えられたのは「開位」。つまり、下から三番目に当たる位階となります。

確かに全体で見れば下の方で、「ロード・エルメロイⅡ世」がいつも「ロードなのに、第四位階「祭位」止まりは前代未聞/それ以上の階位の取得は無い。」と、作中内で言われるので「開位」の位階は低く見られがちですが、エルメロイⅡ世と同じ「祭位」の位階を持つ「フラウロス(レフ・ウヴァル)」の場合は「ニ十歳で祭位に到達した神童」という評価であり、限定的にですが最高峰の「冠位」を取得した「ダーニック」よりも、魔術師としての潜在能力は上回っている。また、戦闘に秀でた「獅子劫界離」とも対等に戦闘が可能と、魔術師として優秀な部類に入る「フィオレ」が「魔術師として長ずれば必ず末子から開位に」という評価も受けていますので

ぐだーずが何歳なのかは不明ですが
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この様に、少なくとも「オルガマリー・アニムスフィア」よりは年下(2003年時点の事件簿でオルガマリー所長の年齢は11~12歳の為、2015年のFGOではおよそ23~24歳)であり、そして

 

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「オジマンディアス」や「アーラシュ」、彼らの発言通り、ぐだーずはまだ法律的に飲酒がまだ認められていない年齢という事で、20歳未満であるのは確定ですので、その年齢でフィオレ(2004年頃のアポクリ時点で、まだ19歳)が魔術師として長じた場合に取得する「開位」を獲得しているので、「魔術師」としての評価で考えればぐだーずには結構な評価かな。と、個人的には。


↑の様に、あくまで個人としては「魔術師では無い」「一般人」という扱いであるのを考えれば、まぁ割と其れなりの位階を与えられた方ではないかなと。

評価せざるを得ない特殊な技能や実績に対しての術者に与えられる「祭位」でも。まぁおかしくはないはないんですが
ぐだーズのその活躍を知っているのが限られているとしても、確かに彼/彼女は「人類史」という大きな世界を確かに救いはしましたが、ただ人類史の奪還という功績自体には、あまり魔術(世界)面での実績/貢献は絡んでないのでまぁ仕方ないんじゃないかなと、個人的に思っています。(実際に、エルメロイⅡ世はその能力から優秀な魔術師を多数輩出したという点。「ゲリュオン・アッシュボーン」は、調律師ですら修復不可とされる「魔術刻印」の修復を可とする技術が認められての「祭位」という評価ですし)

というか、ぶっちゃけ「人類史の修正」って、最早協会の管轄の範疇超えてる話ですから逆に何で、位階を貰ったとかそういう話に唐突にシフトしたのかっていうのが個人的によくわかんないです。

因みにぐだーず、もとい「藤丸立香」君/ちゃんが「開位」を取得。事件簿新刊「case.魔眼蒐集列車」から判明した位階取得者を反映した、各位階に該当する/位階と同等の評価を受けたキャラの最新版は

 

『冠位』

・「蒼崎橙子

・「ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア」(※Apocrypha時空のみの特例)

・(ミハイル・ロア・バルダムヨォン) (※取得はしてないが、冠位に匹敵する魔術知識を保有)

・(シエル) (ロアと同じく取得はしてないがロアの魔術知識を引き継いでいる為、冠位に匹敵する)

 

『色位』

・「ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」

・「ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア」

・(沙条愛歌) (※取得はしてないが、Labrynth時空においてのみ色位の下レベルにまで弱体化している)

・エルメロイ教室所属の魔術師の誰か(「ヴェルナー・シザームンド」「ローランド・ぺルジンスキー」「オルグ・ラム」「ラディア・ペンテル」、「ナジカ・ペンテル」の姉妹「フェズグラム・ヴォル・センベルン」)

 

『典位』

・「ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」(十代の時に到達した)

・「スヴィン・グラシュエート」

・「ナイジェル・セイワード」

・エルメロイ教室所属の魔術師の誰か(「ヴェルナー・シザームンド」「ローランド・ぺルジンスキー」「オルグ・ラム」「ラディア・ペンテル」、「ナジカ・ペンテル」の姉妹「フェズグラム・ヴォル・センベルン」)

 

『祭位』

・「ロード・エルメロイII世」

・「フラウロス(レフ・ウヴァル)」

・「バゼット・フラガ・マクレミッツ

・「ゲリュオン・アッシュボーン」

・「メルヴィン・ウェインズ」

 

『開位』

・「藤丸立香」

・(ロード・エルメロイⅡ世)(※祭位としての特別な評価がされない場合、本来彼自身の「魔術師としての能力」は、開位のかなり下の方)

・(フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア) (※取得はしてないが、魔術師として長ずれば必ず末子から開位に上り詰める模様)

 

『長子』

該当者不明

 

『末子』

・「フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア」

 

 

現状、判明してる限りではこんな感じですね。

一応、ケイネスが「長生きしていれば、ひょっとすると冠位の芽は無くは無かったかもしれない」という評価だったり
最高位の「冠位」を保有する橙子さんが、ニ十代の時に到達したらしき「マスタークラス」と呼ばれる称号が「冠位」の事だとしたら、十五歳で同じ称号を得た「玄霧皐月
「冠位」に匹敵する魔術知識を保有する「シエル」が数値で表すと「100」。「遠坂凛」が、魔術師として長じ「魔術協会歴代100位内」という評価内であれば、「70」~「100」
「色位」に該当するケイネスが、魔術師としての実力を数値化すると「100+α(月霊髄液込み)」で、「コルネリウス・アルバ」がケイネスと同等の「100」という評価ですので

若しかしたら「冠位」「色位」を取得していた(る)...かも...?という評価を受けているキャラはいますが、一応現状こんな感じですね。

ただ、凛に関しては

Q「ぶっちゃけ凛って、将来魔術師としてどの位大成するんです?天才だから相当な高みへいけそうな気がしますが、彼女の”ここ1番で失敗する”特技(?)の所為で微妙な位置に留まりそうな...」
A「ぶっちゃけ教授にはなれます。でも名誉教授にはなれない。何故って、ここ一番で大ポカするからネ!」

という優雅たれ家系特有のうっかり属性が足枷での評価もあるので、「冠位」到達は無いかなと個人的には思ってます。順位も魔術協会歴代100位内に入る位ですし。やっぱり、橙子さんレベルじゃないと冠位はちょっと...(?)ねぇ?(?)


と、若干脱線しましたが、ぐだーずがめでたく開位授与となり、人理復元後の地上は、2016年が空白になったという状況。そして、今後のレイシフトには国連やらの認可が必要(ぶっちゃけ、表層上の設定程度の影響だと思いますが)になったと。
そして───

と、言いたいところですが、その前に”例の彼奴”に関して...

 

本当に今回の「人類史の焼却」という大偉業に打ち克ったのは、マシュやぐだーず、ロマン、ダ・ヴィンチちゃんに職員と、皆の力が有ったこそりの結果であり、その途中で出会った数多の英霊達の縁も有ったからだと思います。

 

続きます。